掲載:2017.11.28

朗読「たちばな」発表会&義太夫(個人会員行事・協会後援)

 平成29年10月1日(日)14時から金沢区役所2F 金沢公会堂 多目的室にて、朗読教室「たちばな」発表会&義太夫の会を開催しました。

 当日は爽やかな秋晴れに恵まれ、開演の2時間も前から お待ちのお客様や、東京・埼玉の遠方からの方など、定員100名の会場に120名がお越しくださり、大盛況となりました。先着何名とするのは、人数を把握できず、難しく思いました。

 朗読の発表会は、昨年の第5回までは練習会場としている八景コミュニティハウスの文化祭で行ってきましたが、今年は「外に出てみましょう!」ということで、新築なった区役所2Fの新しい会場になった訳です。

 これまでより広い発表会場となりましたので、来場者が少なかったら淋しいですが、それはさておき「とにかくたくさんのお客様にいらして頂きたい」との思いから、私が一昨年から習っている義太夫の師匠に相談しました。すると、「では 3人の弟子の発表会も一緒にしましょう。」と快諾してくださいました。演目は、菅原伝授手習鑑「寺子屋」と決まり、弟子3人が「寺入りの段」を語り、ラストに、竹本朝輝 師匠が「いろは送り」を語って頂ける予定となりました。

 ところが、ナナなんとその師匠が、発表会の3日前に倒れ、手術ということになったのです。そこで、義太夫を取りやめるかどうかと、思案をいたしました。義太夫をお聴きになりたくてお見えになるお客様のために、「師匠抜きの私達だけで何とか出来ないか」と知り合いの鶴澤津賀寿さんに懇願しました。津賀寿さんは人間国宝・竹本駒之助の三味線を弾かれ、日ごろからとてもお忙しい方です。当日もお稽古が入っていましたが、「到着が3時になるけど…」とおっしゃたのです。「義太夫の本番は、3時半からです。ぶっつけ本番となりますが、何とか間に合います。」とお願いしました。

 さて、当日ですが、朗読の方は、新しいメンバーを迎え、今年は 中原中也の生誕90年という年であることから、彼の作品を10偏朗読。他に 宮沢賢治「水仙月の四日」、谷崎潤一郎「刺青」、歌舞伎化もされた 木村裕一「あらしの夜に」の第4弾「きりのなかで」、芥川龍之介「魔術」、毎年恒例の、平和を願って山川方夫「夏の葬列」、茨木のり子の詩「私が一番きれいだった時」、「第一夜」から語り継いでいる夏目漱石「夢十夜」から「第八夜」「第九夜」、そしてラストに中原中也の「春日狂想」を全員で群読。今回は 少し欲張った感あり。緊張の中にも皆、充実感のある舞台を終えることが出来ました。 

 10分の休憩の後、義太夫となるわけですが、三味線の津賀寿さんはご都合をつけてくださり、朗読開始の2時にご到着。 全くのぶっつけ本番でヒヤヒヤながら、三味線の演奏に支えられ、弟子3人で何とか「寺入りの段」を語り終えることができ、ホットしました。三味線の津賀寿さんには 感謝感謝の気持ちでいっぱいでした。

 その後、義太夫の師匠は故郷の徳島の大学病院に移り、療養に励んでおられます。来年こそは、元気なお姿で 皆様に あの感動の義太夫をお聴かせすることが出来ればと願っております。

 朗読のメンバーも益々精進して、来年は よりアップしたものをお届けしたいと思っております。今後とも、朗読「たちばな」を宜しくお願い申し上げます。

 

            ( 朗読教室「たちばな」主宰 橘 有美)

 

 

  

 

朗読

 

 

 

義太夫

 

 

 

参加者一同